伊藤達也主将(商4、帝京大学)率いる106代目の一番の目標である関東インカレが5月11日から4日間、相模原のギオンスタジアムで開催されました。雨も多い寒空の中、厳しいコンディションでしたが、入学以来一度も経験した事の無かった全体応援も復活し、大いに盛り上がった試合となりました。結果は目標としていた男女総合8位、男子50点、女子25点には届きませんでしたが、男子は12位、29点(200、400、槍投、走高跳、三段跳)、女子は14位、20点(800、棒高跳、槍投)と男女合わせて6個のメダル獲得と、昨今ではない数のメダルは評価に値すると思います。
内訳は男子12位、29点はトラック9位(13点)、フィールド7位(16点)。
女子14位、20点はトラック17位(5点)、フィールド8位(15点)となります。
男子総合の順位は7位国士館43点、8位日体大41.5点、9位法政38点、10位中央38点、11位山梨学院33点。
女子総合の順位は8位日女体29.5点、9位日大29点、10位駿河台29点、11位東女体28点、12位法政27点、13位国士館22点。
総合8位は叶わずとも部門別では8位以内となり、取り零し無く実力を発揮出来れば8位は可能性があったと思われます。
他校と比べると出場者の人数が少なく、来季以降の勧誘の必要性を痛感した次第です。
本年も監督、助監督、現役が一体となり各地区大会に参りますので、1人でも多くの有望選手の獲得及び、後輩の入学に向け、OBOGの皆様にもご協力頂ければ幸甚です。
今大会は、初日に主将の伊藤達也が槍投げで3位、副将の大久保綺更(環4、都立西)が女子棒高跳で3位、どちらも雨天で競技中断後に自己ベストを更新してのメダル獲得となりました。2日目は体調不良を推して出場した豊田兼(環3、桐朋)が400mで準優勝、3日目は、期待の大型新人、倉田紗優加(環1、伊那北)が女子槍投げで準優勝、最終日は三輪颯太(環3、西部文理)が200mで3位、武田翔太(法4、慶應)が走高跳で3位と合計6個のメダルを獲得致しました。
このように毎日、複数種目でメダルを獲得した事は雨で寒くなったスタンドで応援した学生を鼓舞したに違いありません。
メダル獲得者の陰には、4月の学生個人で3位の仲子綾乃(総3、浜松西)は女子800mで4位、大型新人の須崎遥也(商1、丸亀)は走高跳で6位、浦津ななの(環3年、中京大中京)は女子棒高跳で去年に続き7位、昨年3位の三浦和真(理工4、都小山台)が三段跳で8位と、決勝の舞台であと一歩上に届かなかった事。
男子400mRは昨年の日本インカレ9位の悔しさを忘れず決勝に進出しましたが、経験不足が露呈しオーバーゾーンで失格。副将の廣木亮太(理4、浦和)は100m準決勝で10”37と好記録でしたが9位だった事。
田島公太郎(環境3、九州学院)、安田陸人(商2、開成)、岩井章太郎(環2、同志社)らが今季は好調にも関わらず、怪我で欠場だった事。
上記の通り、今大会で活躍した選手の陰で、本戦で戦う事の難しさ、スタートラインに立つ事の難しさを各人が痛感し、今後の試合に活かされるとご期待下さい。
今回の関東インカレを通じ感じたのは、1部残留という言葉は彼らには必要なく、次のステージを見据えた、即ちチームとして男女総合8位入賞を目指す事で、選手の意識も変化し、特に4年生が実力通りの働きをしたという点です。例年4年生が1部残留という亡霊に苦しむ事が多く怪我で実力を発揮出来ない事が多かったですが、今年は選手の目線が上がり、2部を意識する事なく、存分に実力を発揮した事が例年にないメダル数に繋がった事と思います。
我々が目指す「強くて良いチーム」は、徐々に出来上がっております。選手を送り出すサポートから応援まで連日、雨や寒さの中で大声援を送り選手を鼓舞する姿はチームの一体感を感じさせるものでした。
目標であった関東インカレは終了致しましたが、全部員が次の目標である早慶戦、日本インカレ、同志社戦、箱根駅伝予選会に向け、もう一度精進して参りますので、引き続きご声援の程、宜しくお願い申し上げます。
又、インカレに合わせて金一封を頂いたS62卒の皆様、現役の齊藤凛太郎君のお父様、そして悪天候にも関わらず連日応援にお越し頂いた皆様に改めて御礼申し上げます。
監督
鹿又 理
新年度が始まり、4月1日には入学式が催され、競走部にも新入生が入部して参りました。
現役部員は学年を一つ上げ、先輩としての自覚を持って日々を過ごしております。
入学式の翌日、今年度の公式戦初戦である六大学対校戦が10年振りに国立競技場で開催されました。
結果は男女共に総合3位となりましたが、成績以上の手応えを感じられた試合でした。
試合内容は関東インカレで活躍が期待される4年生が実力通り勝ち切り、主将の伊藤達也(商4、帝京大学)が槍投げ、跳躍ブロック長の三浦和真(理4、都小山台)が三段跳、武田翔太(法4、慶應)が走高跳で優勝し、1、2年苦労した3年の三輪颯太(環3、西部文理)が100m、期待の大型新人の倉田紗優加(環1、伊那北)が槍投げで夫々初優勝しました。
優勝以外に豊田兼(環3、桐朋)が400mHで準優勝、木村有希(総3、葵)が5000mで塾記録で5位入賞、木村は翌週の世田谷競技会で10000mでも塾記録を樹立するなど、関東インカレで活躍が期待される種目が数多く出ました。
勿論、課題もあり、各人がこれから1か月で修正をしていく事になります。
この六大学対校戦は結果以上にチームに良い物をもたらしました。直前に国立競技場で開催する事が決まり、時間も経験も無い学生サポートメンバーが手探り乍、国立競技場や協賛企業、他大学との調整、プログラム作成や番組編成を深夜迄行いました。この努力を選手が間近で見ていた事もあり、ここまで選手とサポートが一体となって臨んだ試合はかつて無い程でした。
100mの優勝インタビューで三輪颯太が「国立で開催され、そこに携わったサポートメンバーへの感謝」のコメントを最初にしました。こうした想いが「強くて良いチーム」を創っていると思いますので1ヶ月後の関東インカレにご期待下さい。チームの目標は男女総合8位入賞、男子は50点、女子は25点。これが達成出来れば男子は47年振り、女子は初の快挙となります。短距離、障害、中距離、長距離、跳躍、投擲と各種目に入賞する選手が挙げられ、今迄以上の結果が見込めるインカレだと思っております。5月11日〜14日迄、神奈川県相模原ギオンスタジアムで開催致します。不便ではありますが、学生の快挙を是非、現地にてご観戦頂ければと思います。
今回の六大学対校戦から中澤仁競走部部長のご紹介で加藤正昭さんという方にカメラマンを依頼する事になりました。加藤さんはお仕事をされながらスポーツカメラマンとして活躍され、東大野球部や東大ア式蹴球部のカメラマンもされていらっしゃる方ですが、競走部OBではないにも関わらず今回、ボランティアで塾競走部の写真を撮って頂きました。その際、加藤さんからのお願いとして、自分の写っている写真を「年に2回、母校の先生に送って下さい」と言うものです。母校の先生は地元で教え子の活躍を必ず気にしているが中々自分から連絡は取り辛いものです。だからこそ、恩師にこの写真を使って報告して欲しいというものでした。素晴らしいお考えであり、直ぐに実行する事と、監督として学生に対し、先生だけでなく、ご家族にも撮って頂いた写真を送って欲しい旨を伝えました。地方にいらっしゃるご家族は勿論の事、実家から通う学生も家族と話す機会も限られ、こうした報告は必ず必要だと思っております。
現役の活躍はOBOGの皆様は勿論の事、高校の恩師やご家族にも報告していき、チームとして一体感を出して参りますので、今後共宜しくお願いします。こうした写真は現役のサイトからも閲覧出来る様に致しますので、是非ご覧下さい。
先日OB会長と連名で出させて頂きました、競走部への寄付のお願いですが、160名の現役を抱え、更に上のレベルに選手を押し上げていく中で、コーチ、トレーナー等多くの競走部OB以外の多くの方にお願いしている状況です。
先ずは現在必要とされる金額を述べさせて頂きましたが、皆様のご理解とご協力を得た上で、現役が活躍出来る環境を整えて参り度、どうぞ宜しくお願いします。
競走部監督
鹿又 理
ご寄付の振込先については、以下をご覧ください。
https://www.keio-tfob.org/wp-content/uploads/2023/04/transfer_destination.pdf
徐々に暖かい日も増え、春の訪れを日吉グラウンドでも感じております。
学生たちはシーズン直前の大事な時期を怪我なく質の高い練習に励んでおります。
先日、藤木健人(4年、商、桐朋)が主将を務めた105代目を送り出す納会がありました。入部1年足らずで新型コロナウィルスの影響で全体集合も授業にも出れない日々が続き、練習だけでなく、部に馴染む事や試合にも出れない日々を過ごした大変な代でした。それでも徐々に練習が出来る環境になり、自分たちがコロナから戻ってきたように競走部も戻るのだと言う気持ちが、「陸の王者 再興」というスローガンになったと思います。このスローガンを達成する為、目的意識、自分ごと化、信頼の3つを意識し行動した事で、4年時に監督が交代した際にも、藤木主将の下、自分達の想いを強く持って各試合に臨み、六大学では女子は総合優勝し、劣勢と思われた関東インカレも好成績を残し、同志社戦、早慶戦も勝利しました。
自分の代だけでなく、後輩の事をよくよく考えて行動した代でもあり、彼らのお陰で106代目は伊藤達也主将(3年、商、帝京大学)以下、チームがよく纏まり、良い雰囲気の中、春のシーズンに向け準備が出来ております。
選手達は入部当初は合宿にすら行けなかったメンバーが選抜合宿で揉まれております。
跳躍ブロックの三浦和真(3年、理工、小山台)、短距離ブロックの岩井章太郎(2年、環境情報、同志社)らが関東学連の沖縄での選抜合宿に参加。短距離ブロックの豊田兼(2年、環境情報、桐朋)は日本代表マイルリレーのカルフォルニアでの選抜合宿に参加しております。塾競走部だけでなく、選抜合宿で周りの強さに刺激を受け、一皮剥けてシーズンインしてくれる事をご期待下さい。
シーズン初戦の公式戦である東京六大学対校戦は4月2日(日)に新国立競技場で開催されます。今大会から付属校だけでなく、広く東京、神奈川、千葉、埼玉の中高生にも声掛けし、将来、東京六大学に入学したくなるような大会作りを目指しております。又、OBOG以外の実業団選手にも多く参加して貰い短距離、長距離と今季初戦からレベルの高い試合が観戦出来る事と思います。
今大会は実に10年振りの新国立競技場での開催ですが、公式戦は関東インカレ(相模原)、全日本インカレ(熊谷)である事から、後輩たちの活躍を新国立で観戦出来るのも今季はこの試合だけですので、是非、新国立に足をお運び頂ければと思います。
伊藤達也主将率いる106代目の目標は男子総合準優勝、女子総合優勝です。
例年、男子は法政、早稲田の後塵を拝しており、女子はニ連覇を目指しますが、既存戦力の充実具合と新一年生の新戦力が噛み合えば、可能性は十分に御座います。
トラックシーズン開幕まで、残り僅かです。今季もご声援の程、宜しくお願い申し上げます。
競走部監督
鹿又 理
例年に無く寒い冬となっておりますが、皆様如何お過ごしでしょうか。
冬の風物詩である箱根駅伝、アンカー10区を学連選抜で出場した貝川裕亮(4年、環境情報、美濃加茂)から競走部の一年は始まりました。来年の箱根駅伝は100回記念であり全国からの出場、出場校も増える予定で益々注目度は高まり、この本選出場に向けて、気持ちを一つに、一年間走ります。
現在、学生達は冬季試験も終了し、冬季練習の最後の追い込みをする厳しい2月を迎え、跳躍、短距離は沖縄、鹿児島で合宿を、中距離、長距離、投擲は日吉にて強化練習を続けております。OBOGの皆様には学生から合宿中で必要となる物のリストを選択して頂き、度々ご寄付をして頂き誠に有難う御座います。お陰様で跳躍、短距離夫々全て即日にご購入頂きました、諸先輩方の素早い対応に部員一同大変感謝しております。こうして物品のご寄付を頂くのは大変有り難く、引き続きどうぞお願いします。
学生達は冬季練習をより充実させる為、他大学との合同練習を自主的に行っております。伊藤達也主将(3年、商、帝京大学)は槍投げの合同練習を同志社、早稲田、立教と、中距離ブロック長の神田陽向(3年、理工、湘南藤沢)は、早稲田、立教の中距離ブロック男女を日吉に招き合同練習を行います。こうした自主的な合同練習をする事で、自分たちの気付かない点を探求しております。同じように、コーチ陣も工夫を凝らし、高野大樹 短距離コーチが跳躍ブロックを、佐藤隆史 跳躍コーチが短距離ブロックと中距離ブロックを指導する練習会を行いました。それぞれ走り方、腹圧の掛け方、ポイントの置き方等々をいつものコーチではない方から学び、求める動きは一緒でも言い方が異なる事で、逆に学生の気付きに繋がるという有益な練習会でした。これもコーチ間の連携と信頼の証しであり、選手、コーチの関係強化も進んでおります。
関係強化の観点では各校の監督、主務も連携を意識しております。今回、東京六大学の監督会議を開催し、もう一度、東京六大学の価値を見直し、東京六大学対校戦を新国立競技場で4月2日(日)に開催する事を決定致しました。
東京五輪後も、松本洋平衆議院議員(1996卒)ら競走部OBはじめ多くの陸上関係者の働きかけもあって新国立競技場にトラックを残す事になりましたが、陸上競技会が国立で開催される事は少なく、更に学生が国立競技場で競技する機会となると非常に限られます。費用の工面が一番の課題でしたが、川合伸太郎顧問(1969卒)はじめいろいろな方々にお力添えを頂いた結果、お蔭様で多くの協賛金が集まり(六大学の中でも慶應が大半の協賛金を獲得)、開催に漕ぎ着けることが出来ました。
実業団トップ選手のOpen競技とともに、地元の中高生が出場するOpen競技も新設し、将来の進学先として東京六大学を目指し、六大学のファンを作る事も視野に入れております。
学生も国立競技場で走る機会が生まれ、シーズン初戦に照準を合わせ練習に積んでおりますので、引き続きご声援の程、宜しくお願いします。
競走部監督
鹿又 理
あけましておめでとうございます。
本年もどうぞ宜しくお願い申し上げます。2023年は昨年以上の結果を残すべく現役部員とスタッフが一丸となり精進して参りますので、引き続き宜しくお願い申し上げます。
12月中旬に塾長招待会に競走部として5年振り、男子早慶戦勝利という事から出場者が出席致しました。この塾長招待会の栄誉を今の学生がどこまで理解しているか、正直まだ解らない学生も多いと思います、斯く言う自分も現役時代はピンと来ていなかったように思います。然し監督として出席し、この栄誉を改めて感じました。現役時代に塾長に会える機会は通常であれば入学式と卒業式だけです。ですが體育會に所属し結果を残す事により、その塾長からご招待頂けるのです。こうした事を現役の時から伝えていく事も監督である私の仕事であると感じました。次回の塾長招待会には男女共に早慶戦勝利並びに数々の表彰を受け出席したいと思います。
この塾長招待会にて、伊藤塾長より「祝福される勝者であれ」というお言葉を頂きました。ただ勝利するだけでなく、敗者からも祝福されるチームになる事が大事であり、それこそ我々が目指す「強くて良いチーム」の向かう先だと思いました。
この「祝福される勝者であれ」を体現したのが、先日の箱根駅伝で10区を任された、貝川裕亮(4年、環境情報、美濃加茂)です。11番目の選出から10番目に繰り上げされ、12月の競走部全体合宿でも、彼の直向きな姿勢がブロックを超えた部員全員から祝福されての出場でした。勝者という点では、まだまだ足りない点もあり、1人で出場するのではなく、チームとしてお正月のスポーツの一大イベントに慶應義塾として、次回の記念すべき100回大会で予選会を勝ち抜き文字通り、「祝福される勝者」を目指したいと思います。
箱根を目指す中で、12月下旬の記録会で好記録も出ました。
安倍立矩(2年、理工、厚木)が10000mで29分07秒39で塾新を更新し、日本インカレB標準を、安田陸人(1年、商、開成)が10000mで29分57秒14で関東インカレのハーフマラソンの標準を切り、春のトラックシーズンでも多くの種目で活躍が期待出来ます。
学生達は冬季練習真っ盛りです。長距離以外は試合もなく、辛い鍛錬期を怪我なくしっかりと練習を積むことに注力しております。又、最上級生の大学3年生は練習とインターンや就職活動の両立に苦労し乍も最後のシーズンに結果を残すべく、日々精進しております。
OBOGの皆さまもお時間あれば日吉グランドに足を運んで頂き、現役の活躍を応援するのと同時に、3年生の就職活動のアドバイスも頂ければ幸甚です。
改めまして、本年もどうぞ宜しくお願い申し上げます。
競走部監督
鹿又 理
師走になりました。早いもので監督に就任し6か月が経ち、その間、色々と経験をさせて頂きました。
この監督便りを通じてOBOGの皆さんには現役の現状をお伝えし、お願いも多かったかと思いますが、我々が現役時代と同様、今の学生も日々努力し成長しておりますので、引き続きどうぞ宜しくお願いします。
10月末のALL慶應陸上祭が終わり、伊藤達也主将(3年、商、帝京大学)率いる106代目が本格的に始動を開始しました。
106代目は「強者であれ」をスローガンに掲げ、来季のインカレで男女総合8位、具体的には男子50点、女子25点を目指す事と致しました。
これを達成出来れば、男女同時に総合8位は史上初となります。この数字は簡単ではありませんが、夢物語では御座いません。
前回の関東インカレは男子13位(23点)、女子25位(5点)でした。具体的には男子は200m 8位、110mH 2位、400mH 5位、三段跳3位、走高跳 7位、槍投げ6位。女子は棒高跳 6位、7位 でした。
これは全て3年生以下での得点獲得であり、各人の成長に加え、来季の新1年生(男子走高跳インターハイ準優勝、女子槍投げインターハイ優勝)の活躍も考慮に入れれば実現可能であり、史上初の男女総合入賞に向け部員一同、意識を高くし練習に励んでおります。
11月の大会では、安倍立矩(2年、理工、厚木)が5000mで14分7秒75の自己新で関東インカレA標準突破、10000mで29分23秒80の自己新で関東インカレB標準突破や、各種目でPBが出ており、出来る限り多くの選手がインカレ出場を目指しております。
現役の活躍に加え、OGの活躍もありました。本年、資生堂の新キャプテンとなった樺沢和佳奈さん(2021卒、環境情報、常盤)率いる資生堂が11月のクイーンズ駅伝で16年振り2度目の優勝(大会新記録)を果たしました。残念乍、樺沢さんは出場しませんでしたが、今季は1500m、5000mで自己新を連発し、キャプテンとしてチームを纏める難しさを知り、且つ自分も結果を出していく強さ、これを経験した樺沢さんの今後に期待したいと思います。こうした経験を現役も継承し、悲願の箱根駅伝出場に繋げて参ります。
身近な先輩の陸上での活躍は学生の刺激になります。これに加え新たな試みとして、11月から「社会で活躍する先輩からのメッセージ」として月に一度、「仕事とは、働くとは、社会とは」をKey Messageとしてご自身の現役時代の話しから、現在の仕事、社会に出るとは、働くとは、多くの経験をされたOBOGの方から土曜の練習前の1時間、日吉の大教室で部員全員がお話しを伺うというものです。
就職活動をする3、4年生だけでなく、1年生から陸上だけでなく、社会という少し先に視線を向けるのも、今しか無い学生時代を充実させる為にも良い機会と捉えており、諸先輩方にもいつかお願いする事となりますので、その際には後輩たちの為に皆さんのメッセージをどうぞ宜しくお願い致します。第1回は11月に三菱商事の仲庭幹人さん(1995卒、政治、暁星)、第2回は12月に日本航空の山本潤さん(1988卒、理工、栃木)、第3回は来年1月14日(土)に、OB会長で東京海上日動の田﨑博道さん(1979卒、政治、沼津東)にお願い致しました。本企画はご興味のあるOBOGの皆さんも日吉校舎第四教室にてご聴講頂けますので、ご興味ある方は是非、お越し下さい。
先輩方のお話しを伺い、自分たちの気付きや成長もありますが、106代目は将来も見据え、高校生に向けて日吉グランドにて体験練習会を開催致しました。
これは全国の有望な高校1、2年生に向け、慶應義塾體育會競走部に興味を持って貰う会と位置付けた公開練習会でした。高野短距離コーチ、佐藤跳躍コーチ、中島投擲コーチを中心に学生も一緒に高校生に練習方法を伝えていきました。
総勢150名の高校生が関東近郊だけでなく、新潟、福島、静岡、広島、香川各県から参加頂きました。大学3年生からすれば、高校2年生は将来一緒に練習する事は叶わない存在ですが、競走部のファンになって貰う事を準備の段階から考え、高校生や先生にレターを出し詳細を伝えた結果、多くの参加者に来て頂けました。この中から、多くの競走部希望者が入部してくれる事を期待したいと思います。
新チームとなり来季の大きな目標を叶える為、冬季練習を始める前に新たな試みとして12月3、4日の週末にTeam Buildingだけに集中した初の全体合宿を行いました。基本的に三年生以下の新チームに加え、AOと指定校で入学予定の高校生も招待し、監督、助監督、コーチ、トレーナー、アドバイザーらも参加し総勢110名強でチームビルディングに注力した合宿でした。コロナのお陰で修学旅行や卒業式も無かった現役からすれば、全体合宿をする意義が見えないのは当然です。現役時代全体合宿を行っていたOBOGの皆さんからすれば当然の事、合宿を通じ各ブロックの距離を縮める事がどれだけチームの結束力を高めるかを。現役部員の多くが懐疑的な中、106代目と合宿担当者は丁寧に合宿前から準備をしスローガンである「強者であれ」をチームに浸透させる為、コロナで接点の無かった異なるブロックの先輩、後輩との交流を図る様々な工夫を凝らし、話し合いの時間を持ちました。結果として合宿後は各人の距離が縮まりやっとOne Teamを目指せる形になりました。改めて監督としてお伝えしたいです、One Teamとなったこの新チームにご期待下さい。
尚、現役の合宿の様子は以下の通りです。
https://keio-tf.org/2022/12/09/kyousyadeare/maneburo/
本年も残り僅かとなりましたが、来年も変わらぬご指導ご鞭撻の程、宜しくお願い申し上げます。
どうぞ良いお年をお迎え下さい。
競走部監督
鹿又 理
10月15日の箱根駅伝予選会は26位と極めて残念な結果となりました。
エースに成長した木村有希(2年、総合政策、葵)が怪我から復調出来ず、来季を鑑み欠場としたのは保科コーチの苦渋の決断でした。
1年間チームを引っ張ってきた4年生の前原裕磨(4年、政治、熊谷)、森田剛史(4年、経済、塾湘南藤沢)と、夏合宿は厳しい練習にも耐えましたが疲労が抜けず本番で本来の力を発揮出来なかったのは本人が一番悔しい思いをしております。
保科コーチからも1年間、厳しい練習に耐え得る身体作りとして、練習、栄養、治療、休養のサイクルの充実さを再度考えさせられた試合だったと聞いております。
将来を見越した上では、前回1年生ながら、箱根駅伝に関東学連選抜で出場した田島公太郎(2年、環境情報、九州学院)は、実業団の夏合宿に参加し、実力を付けての全体30位、日本人16位と、着実にチームを牽引する存在となっております。
又、1年生の安田陸人(1年、商、開成)は部内4位、東叶夢(1年、環境情報、出水中央)は部内8位と、若い力に将来を期待したいと思います。
そうした中、貝川裕亮(4年、環境情報、美濃加茂)の関東学連選抜選出は、塾競走部のKマークを全国に知らしめる良い機会となります。
現在、選出記録が全体11番目となりますが、前後1秒差と言う事から、十分にチャンスがあり、残り2ヶ月万全の準備で臨んで貰いたいところです。
10月30日には第二回ALL慶應陸上祭と称して、SEIKOの協賛も頂き乍、一貫校、地元の小学生もご招待しOBの山縣亮太(2015卒、総合政策、修道)のかけっこ教室も開催する中、一年間、部を引っ張り、支えて来た藤木健人主将(4年、商、桐朋)、田村颯斗主務(4年、商、舟入)の105代目から、伊藤達也主将(3年、商、帝京大学)、齋藤恒主務(3年、経済、山形東)の106代目に世代交代が行われました。
藤木主将は怪我に苦しんだ一年の引退レースの100mで再び肉離れをし、最後のスウェーデンリレーも怪我を押して完走しましたが、こうした苦しんだ姿を部員に示すところこそ、彼を支えた田村主務並びに全部員が結束した要因であったと感じられた瞬間でした。
当日は晴天に恵まれ、多くのお子様、保護者の方々もスタンドにいらっしゃり、現役選手やOBOGの活躍を観戦頂きました。
こうした競走部OBOGの皆様と一緒に、一貫校や地元の多くのファンの皆様に支えながら、競走部の活動がある事を部員一同再認識した次第です。
このALL慶應陸上祭は、OBOGの皆様には馴染みもないものかと思います。まだ二回目の開催ですが、現役の発案で自分達がやっている事を胸を張って示し、一貫校や地元の子供達に声掛けし、将来の競走部への入部希望者やファンを作る事、一貫校の後輩も一緒に交わり紅白戦形式として試合に参加し、最後に先輩の送別会を行うと言うものです。
今回も企画立案、プログラム作成、企業への協賛、全て学生主導で行いました。協賛に関してはSEIKOのように長くサポートして頂いている企業に加え、自分がインターンをしている企業からの協賛(ON Japan)や、アルバイト先の日吉のパン屋さん(One Hundred Bakery)等々、自分達で話しに行き、地域貢献としての意義を伝え協賛を頂きました。
自分が現役時代には考えられない程、現在の学生たちは何が必要で、どうすれば良いかを考えているように思います。
このALL慶應陸上際を終え、文字通り伊藤主将の下、新チームがスタートし、来期を意識し始めております。
3年生以下の現役で唯一3年間、毎年関東インカレで決勝進出を果たしているのが走高跳の武田翔太(3年、経済、慶應義塾)で、結果は1年は8位、2年は11位、3年は7位となります。
昨年、2m15cmの塾記録の更新後、怪我もあり自己記録更新に時間が掛かっている彼に、刺激となる新1年生が指定校推薦にて来春入学して参ります。
指定校推薦の最終合否が12月の為、詳細は控えますが、高校2年時のインターハイでメダルを、本年もインターハイ、国体とメダルを獲得している逸材です。
来年の関東インカレで武田翔太と新1年生の2人の表彰台が実現すれば昭和14年以来、84年振りの快挙なのですが、 一つ問題が御座います。走高跳のマットです。
老朽化が進み、先日の早慶戦では晴れていながらも、着地すると水しぶきが上がる状態で、六大学対抗などの招待試合では慶應義塾のマットは使用せず、外部からのレンタルで対応しております。
本来であれば5年に一度のグランド検定年に大学の予算で買換えですが、先日のプレ検定で裂けている部分も多く危険故、早急に買い替えが必要と指摘を受けました。
走高跳のマットを全て交換した場合は、約250万円になります。然しマットの上部のみであれば50万円強、防水カバーが走高跳、棒高跳夫々裂けている為、夫々10万円程、合計約70万となります。来年度の検定に合わせ申請→許可→納入の時間を考慮すると今シーズンの納入は絶望であり、4年、1年の複数入賞の快挙に間に合わない見込みです。
これだけ有望な選手が揃う状況下、練習に専念出来る環境整備するのは監督の責務であり、先ずは上部と雨除けのカバーだけでも、OBOG会と協力して競走部自身で、前倒しで購入しようと検討しております。
本年6月、元短距離OBの豊田基二君(経済、旭丘、98卒)が種目外の槍投の槍を購入し、伊藤達也新主将の活躍に寄与した件で、なぜ投擲OBに一声無かったのかと一部の諸先輩からお叱りを受けました。今回、同じようにならない為にも、皆様に事前にこうした事情を報告させて頂いた次第です。
世代交代を行い、106代目として伊藤主将以下、新チームはスタートしたばかりで不慣れな点も御座いますが、各ブロックで大きな目標に向かい日々練習をしております。
今後共どうか温かい目で見守って頂き度、宜しくお願い申し上げます。
競走部監督
鹿又 理